第69回 日本実験動物学会総会

公益社団法人日本実験動物学会

動物実験を育み、生命に尽くす

第69回 日本実験動物学会総会

大会長挨拶

第69回日本実験動物学会総会
大会長 三好 一郎
(東北大学大学院医学系研究科附属動物実験施設)

第69回日本実験動物学会総会(大会)の開幕まで、あと18日となりました。この数ヶ月間、新型コロナウイルス感染症の状況に加えて、頻発する地震の被害・復旧状況を注視しておりました。幸い、東北新幹線は5月13日より通常ダイヤでの運転を再開します(予定)。一方、新型コロナウイルス禍3年目のゴールデンウィークは、行動制限がないことから、休み明けのリバウンドが懸念され緊迫感は払拭されません。

この度の新型コロナウイルス禍により、今後も予想される人類・動物の健康と幸福への脅威に対して、実験動物を用いた生命科学・医学研究が如何に重要であるかという事実が改めて認識されました。同時に、実験動物の生産・供給、各々の機関の事業継続計画に応じた動物実験施設の管理運営など、研究の基盤となる適切な実験動物の飼養保管と適正な動物実験の実施に関して、さらには学会のあり方や運営についても俯瞰的視点から克服すべき課題が浮き彫りとなりました。

本学会は、学術分野や領域、業種を越えた研究者や技術者が集い、多様性と包含性を維持しつつ時代の要請と調和を図りながら発展してまいりました。本大会では、実験動物に関する基礎・応用研究の発表、知識の交換、情報の共有を対面開催により活性化し、混沌から創生をめざすと共に、人材の育成を重要な課題としていることから、テーマを「動物実験を育み、生命に尽くす」と致しました。このテーマを中心に据え、異なる研究分野の3名の先生に特別(教育)講演をお願いしております。「霊長類のマラリア研究の有用性」について国立国際医療研究センター研究所の狩野繁之部長、「老化は制御できるか?」について東京大学医科学研究所の中西真教授、そして山本雅之東北大学大学院医学系研究科教授・東北メディカル・メガバンク機構長には「マウス研究から世界へ・宇宙へ」についてご講演頂きます。その他、学会・学術集会委員会(ワクチン開発)、国際交流委員会(国際賞)、動物福祉・倫理委員会(実験動物の再利用)、実験動物感染症対策委員会(センダイウイルス)等の企画に加え、 日本実験動物医学会主催(間葉系幹細胞による再生医療)、日本実験動物医学専門医協会主催(産業動物・展示動物のアニマルウェルフェア)、日本実験動物技術者協会・東北動物実験研究会との共催(動物実験を育むために)、AAALAC International主催、大会主催(ハムスター温故知新、歯の形成・再生機構)のシンポジウム・セミナー等の多彩な企画が用意されております。また、本大会より若手実験動物学研究者の育成を目的に学会賞の一つとして優秀発表賞を設け、その活動を奨励してまいります。さらに、実験動物の飼養保管や動物実験の現場に求められる「動物実験施設の管理」、「実験動物技術教育」、「各種実験動物の基本」等に関するLASセミナー、ランチョンセミナーやホスピタリティールーム等も実施致します。

新型コロナウイルス禍の過酷な状況下にもかかわらず、事前登録者は500名を超え、一般ポスター演題は193演題と例年に劣らない申し込みがあり、会員の皆さまから発せられる、大会に参加し議論・対話したい、何よりも仲間に直接会いたいという意思表示を実感し、感激するとともに感謝致しております。また、前仙台大会開催後に新設された展示棟を会場として、日本実験動物器材協議会のご協力(58社等)により器材展示を実施致します。さらに、多くの関連企業(のべ75社等)の皆さまには協賛・寄付等で多大なるご支援を賜り、その念いは現地開催を推進する強力な駆動力となりましたことを心より感謝致します。

一年前、第68回大会に参加するために仙台駅に向かう際、木漏れ日の揺れる青葉通りの爽やかな空気感に触発され、来年こそは新緑のケヤキ並木が美しい杜の都、仙台に皆さまをお迎えしたいと現地開催を固く決意しました。その収束状況には依然として不安を残しますが、感染予防対策に十分配慮しながら、本大会は予定通り対面で開催致します。マスク越しではございますが、5月18~20日、3年ぶりに仙台でお会いしましょう。
(令和4年5月1日)

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