第69回 日本実験動物学会総会

公益社団法人日本実験動物学会

動物実験を育み、生命に尽くす

第69回 日本実験動物学会総会

大会長挨拶

第69回日本実験動物学会総会(仙台大会)を振り返って

大会長 三好 一郎
(東北大学大学院医学系研究科附属動物実験施設)

第69回日本実験動物学会総会(大会)を2022年5月18日(水)〜20日(金)の3日間、3年ぶりの現地対面により仙台国際センターで開催致しました。一年前、第68回大会総会を開催するために仙台駅に向かう際、木漏れ日の揺れる青葉通りの爽やかな風に触発され、来年こそは新緑のケヤキ並木が美しい杜の都にみなさまをお迎えしたいと現地開催を決意しました。本学会は、学術分野や領域、業種を越えた研究者や技術者が集い、多様性と包含性を維持しつつ時代の要請と調和を図りながら発展した経緯から、直接、議論・対話できる楽しい総会とするべく、万全の感染予防対策を講じることにより対面で開催できると信じて準備を進めてまいりました。まん延防止等重点措置等は全面解除され、東北新幹線は5月13日から通常ダイヤでの運転を再開し、大会期間中は好天が続いたことから、その目標が叶いました。まずは、今大会の開催にあたり、ご支援並びにご協力を賜りました関係者のみなさまに心より感謝とお礼を申し上げます。一方、私どもの不手際でプログラム集や参加証の配送が遅れ大変ご迷惑をおかけいたしましたことを、お詫び申し上げます。

本大会は,テーマを「動物実験を育み、生命に尽くす」とし、これまでの研究や学会活動等でご縁のある先生を中心に、次世代へのメッセージを込めて特別講演をお願い致しました。また、新たな企画として、若手実験動物学研究者の育成を目的に、将来検討委員会が練り上げ開設した優秀発表賞の口頭発表を行い、質疑応答が活発に行われ、評価の拮抗する非常に活気に満ちたセッションとなりました。学会の各委員会の企画による有意義な内容のシンポジウムに加えて、これまで私たちの活動を支えて下さった仲間・共同研究者が大会委員として各々の思いやメッセージを込めて企画した多彩な内容のシンポジウムでは、多くのみなさまにご参加・議論頂きました。その他、LASセミナー、各主催者がその特色を生かし聴衆の期待・要望に応えたランチョンセミナーやホスピタリティールームも盛況でした。

本大会は、会場ではマスク着用、会場内の立ち見禁止・着席人数削減、講演会場・展示会場の換気徹底、マイク等の備品の消毒、座長席・演台の飛沫防止アクリルパネル設置、手指消毒剤の設置、サーマルカメラ設置による来場者体温確認、情報交換会の人数制限、着席者の把握等の万全の感染予防対策を講じることで、対面での開催を決断・遂行致しました。新型コロナウイルス禍の過酷な状況下にもかかわらず、事前登録者は500名を超え、一般ポスター発表は193演題もの申し込みがあり、会員のみなさまから発せられる、仲間に直接会い議論・対話したいという意思表示を実感し、感謝感激でございます。ポスター発表、並びに日本実験動物器材協議会のご協力による器材展示は、地下鉄「国際センター」駅に直結した展示棟で実施致しました。本大会に開催に際して、関連企業のみなさまには協賛・寄付等で多大なるご支援を賜り、その活動の中心的な役割を担って頂いた財務委員会のその念いが現地開催を推進する強力な駆動力となりましたことに心より感謝致します。一方、情報交換会は感染予防対策や時間短縮のため制約が多く、仙台・東北地方ならではの料理やお飲みものをご堪能頂くには及ばず、非常に慌ただしい会となり、誠に申し訳ございませんでした。ただ、みなさまの笑顔を拝見できたことを大変嬉しく思いました。

杜の都仙台から学術研究都市つくばに場所をかえて、来年、日本実験動物学会総会は70回の節目を迎えます。再び、みなさまにお会いできることを楽しみにしています。

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